おぼろ昆布と切り干し大根は魅力の乾物
スーパーの乾物売り場には干ししいたけ、高野豆腐、煮干しなど、お値段が安くて効能あふれる健康食材が多く並んでいます。
なかでもとりわけ、私が気にかけているのは、おぼろ昆布と切り干し大根。
海の幸と山の幸ですから、栄養面の特徴は正反対とも思われるかもしれません。
けれども、特にミネラルの含有バランスについて見るとおもしろいことに実に似通っています。
・カルシウム
骨の主たる材料であり、精神面を安定させる作用もあります。
心臓や血管の機能を正常に似保つほか、脂肪の代謝にも関わります。
・カリウム
体内の水分代謝を調節してして血圧をを安定させたり、毒素をの排出を促す。
加えて、食物繊維が豊富なことも両者の共通点でありますが、ここで見逃せないポイントがひとつ。
おぼろ昆布と切り干し大根では、含まれている食物繊維のタイプが異なります。
おぼろ昆布の食物繊維はアルギン酸という成分で、これが独自のぬめりの正体。
その一番の特徴は水溶性であることで、すなわち体内で水に溶けて、ネバネバの状態になるのです。
ネバネバに変化したアルギン酸は、食事で一緒に摂った糖の吸収を遅らせて、食後血糖値の急上昇を防ぎます。
また、おぼろ昆布に含まれるカリウムは、アルギン酸と結びついて胃腸内に入り、そこで放出されることで、血圧安定に働くのです。
一方、切り干し大根の食物繊維は水に溶けないリグニンという成分。
胃の中に長時間とどまることから、満腹感を、保って食べ過ぎ防止に貢献します。
リグニンは大腸でも体内に吸収されず、水分を吸ってふくれ上がることで、腸壁を刺激して排便を促します。
便のボリュームと水分量をも同時に増やすので、力むこともなくすんなりと排便がてきるようにもなります。
すなわち、切り干し大根のリグニンは「ダイエットや便秘改善」にてきめんの食物繊維なのです。
どちらも体内にとってはうれしい効能に間違いなく、おぼろ昆布と切り干し大根はぜひ常備しておきたい乾物コンビといったところ。
食べ方は皆さん好みがあると思いますが、寒さ厳しいこの時期には、和風スープの具にするのもおすすめでしょう。